September 30, 2012

改良添加成份後走健康取向的牛肉乾也算減重聖品


ビーフジャーキーが徐々に健康食品の仲間入り―成分と味の見直しで
2012年 9月 27日  19:58 JST

 ビーフジャーキー――ガソリンスタンドの重要な商品でトラック運転手の好物――が健康食品になりたがっている。

 ビーフジャーキーの製造業者はターキージャーキーなら消費者に受け入れられることを過去に発見したが、今はさらに以前よりしっとりとした、風味の良い、上等なドライミート製品で大きく売り上げを伸ばしている。なかにはバジルシトラスやレモンガーリックといった味もある。

 これはほとんどジャーキー・ルネサンスだ。その理由は、ほかの塩辛いスナックがほとんど持っていないものがジャーキーにはあるからだ。大量のたんぱく質だ。

 真剣にフィットネスに励む消費者にとって、たんぱく質は空腹を防ぎ、炭水化物の過剰摂取を避ける絶え間ない努力に必要な魔法の兵器だ。1オンス(28グラム強)のジャーキーに含まれるたんぱく質の量は、一部のプロテインバーに含まれる量にほぼ匹敵する。また、多くのジャーキー製造業者は商品が「自然」で「純粋に」本物であることを強調している。

 米カリフォルニア州ソノマに本拠を置くクレイブの販売担当者はマラソン大会の参加者によくジャーキーのサンプル品を配る。同社の広報担当ケイティー・テシトア氏は、ゴールした参加者が「おなかがすいた。この小さなグラノラバーではもたない」と言うときが、「商品を売り込む最大のチャンス」だと指摘する。

 シカゴにある市場調査会社、シンフォニーIRIグループによると、8月12日までの1年間で、ジャーキーの売り上げは前年比13.6%増の7億6020万ドル(約591億円)に達した。ジャーキーの売り上げはここ数年、毎年堅調に伸びており、2011年は前年比13.4%増だった。

 筋肉をつけるためだろうと、やせるためだろうと、消費者はたんぱく質が豊富なスナックをますます求めている。2000人の消費者を対象に10年に実施された調査によると、38%の人が「たんぱく質を多く含む食品や飲み物を常に選ぶ」と回答している。フロリダ州セントピータースバーグにある食品関係の市場調査会社ヘルスフォーカス・インターナショナルによると、02年に同様に回答した人の割合は22%だった。

 オランダの市場調査会社イノバ・マーケット・インサイツによると、昨年だけでも140種類の「ミートスナック」が市場に登場したという。2年前は75種類だった。他のたんぱく質を多く含む製品には55種類のハムス(ひよこ豆ペースト)製品が含まれていた。これはその前年の33種類を上回る数だ。プロテインバーは昨年240種類の新商品が登場したが、その前年は130種類だった。

 しかしジャーキーの売り上げの伸びが描く軌道には高いハードルがある。ワシントン州ケントにあるオベルト・ブランズのトム・エニス最高経営責任者(CEO)は「われわれはそれを『ジャキーシェイム』と呼んでいる」と言う。同社はヒッコリービーフやスパイシースイートといった商品を含む7種の「無添加」ジャーキー製品を市場に投入した。

 同社は男性の消費者から、恋人の前でビーフジャーキーを食べるのは恥ずかしいという話を聞いた。塩分と防腐剤とあらゆる種類の人工添加物が加えられたジャーキーに対する「たちの悪い認識がある」とエニス氏は指摘する。

 そこでオベルトはジャーキーの「リハビリ」を図った。製品からコーンシロップとブドウ糖、防腐剤の亜硝酸ナトリウム、味を濃くするためのグルタミン酸ソーダ(MSG)を取り除いた。(テリヤキタイプにはショウユが使われているため、同社によると自然に発生したMSGが含まれているという。)結果、BBQポークジャーキーは同社周辺で人気となり、エニス氏でさえ手に入りにくいときがあるという。

 ヴァージニア州にある栄養学とフィットネスのスタジオ、ヴァージニアビーチのオーナーで登録栄養士でもあるジム・ホワイト氏によると、異なるブランドのジャーキーを比べた結果、1オンスのジャーキーのカロリーは比較的低く50~100だという。脂肪はゼロからヒトケタ台までさまざまで、たんぱく質は7~14グラムだった。しかしナトリウムは比較的高く、300~500ミリグラムが含まれる場合もあった。これはポテトチップ1オンス当たりの140ミリグラムより多い。

 ホワイト氏は、健康的な人のほとんどはたんぱく質不足の危険はないという。平均的な人が1日に必要なカロリーのうち10~20%だけ、たんぱく質由来にすべきだという。アスリートは20~25%を摂取できる。長期的には、たんぱく質のとり過ぎは腎臓結石といった病気のリスクを高める可能性がある。

 デンバーにあるパフォーマンス・エンハンシング・ミート・スナックスのトップ、ブライアン・レビン氏は、購入者の60%が女性だということに会社は驚いたという。レビン氏によると同社の女性ターゲットは18~35歳の活発な女性だという。ジャーキーの栄養的側面――「低カロリー、低炭水化物、高たんぱく質と味」――は低炭水化物ダイエット中の人なら誰でも魅力だとレビン氏は言う。

記者: Anne Marie Chaker
ref:Wall Street Journal Japan




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